SPECIAL TALK
特別対談

場面写真1
成河
おかげさまで前作の『ロマンス編』はたくさんの方に観ていただきましたが、考えてみればあまりないタイプの映画だったかもしれないですね。何しろ全編嘘の話で、ほとんど本当のところがないという(笑)。
古沢
そうなんですよね(笑)。映画的に感動する物語ともまた違うので、“騙された!”ということでどれくらい満足していただけるのか不安だったんですが、そこをちゃんと楽しんでいただけたみたいで良かったです。
成河
時系列で言うと『ロマンス編』の公開が19年の5月17日で、翌日の18日にスペシャルドラマの『運勢編』を放送していて、今回の『プリンセス編』の準備はそれと並行しながらだったんです。『ロマンス編』の宣伝・公開、『運勢編』の撮影・仕上げで、熱狂の中始まったので、これがなかなか大変で。あと『コンフィデンスマンIG』という五十嵐のスピンオフもやることになって、古沢さんに息抜きのつもりで書いてくださいと(笑)。
古沢
息抜きで別の脚本を書くっていう(笑)。『プリンセス編』はいろんなアイデアの話をする中で形になっていったんですが、紆余曲折したんです。その中でも今回は“騙された!”というタイプの話ではなく、そこもありながら『コンフィデンスマンJP』のまた違うテイストをやろうということは割と早く話してましたね。
成河
それこそ『ロマンス編』が全部嘘の話で、それはそれでいいものになったけれど、“本当にこれでいいのか!?”と思ったところもあったんですよ。そういう意味ではあいだに入った『運勢編』がキーポイントになっていて、あの作品は本当に辛い目に遭うことが相手を騙すことにも繋がるっていう、ある種のリアリティーの話になっていたんですよね。そこも踏まえて、次はリアルな話がいいというのは古沢さんとの共通認識でした。最初、舞台は北海道という話もしていましたよね?
古沢
山の上のリゾートホテルを舞台に密室劇っぽくやろうと考えていて、ロケハンにも出かけたんですが、さわやか過ぎて欲望渦巻くギラギラ感が出ないなと(笑)。
成河
僕も粘りながらもちょっと違うかなと思っていたんです。それで撮影も迫る中で舞台を変えたほうがいいなと腹を決めて、古沢さんが別の仕事で行かれていた海外まで出向いたんですよ。そこでホン打ち(脚本打ち合わせ)をさせてもらって、「変えましょう!」と。海外まで来られて、イヤとは言えない状況ですよね(笑)。
古沢
ロサンゼルスまで追いかけてきましたね(笑)。ロサンゼルスの高級ホテルも取材させてもらったら、日本とはまるで違う雰囲気で映画映えするんですよね。それでやっぱり海外のほうがいいのかなと。最初は世界の経済界の大物たちが集まる会議があって、そこに詐欺師が入り込むという話を考えていたんですよ。『アナスタシア』みたいに滅んだ王朝の生き残りの王女がいて、それがダー子っていう。その中でダー子が王女ではなくて、少女を出してその子のためにダー子たちが動くほうが最終的に面白くなっていって、今まで描いていないダー子の一面も出せるなと思ったんです。最終的に世界有数の大金持ちの一族がいて、舞台はシンガポールと、どんどんスケールが大きくなっていきましたね。
場面写真2
場面写真3
成河
ボクちゃんがボディガードになるというのも、ダー子が王女になりすますっていう最初のアイデアのときからありましたよね。リチャードはリチャードで今回は領事に扮してますが、『運勢編』に続いて広末涼子さん演じる波子さんとのアバンチュールがあって(笑)。
古沢
五十嵐……はいつも後回しなんですが(笑)、見せ場は作れたかなと。今回は群像劇に近いですよね。ダー子が主役ではあるけれど、その他のいろんな登場人物が有機的に絡み合うようにできたらいいなと考えてはいたんですが、柴田恭兵さん演じるトニーの動きや、フウ家の3姉弟が変わっていく様子もドラマになっていると思うので、そこもぜひ楽しんでいただきたいですね。
成河
本当にたくさんの人が出てきますからね。
古沢
これまで出てくれたいろんな方たちをできるだけ出すっていうのもテーマでした。無理やり出しているっていうところもなきにしもあらずなんですが、むしろ無理やり出てきたほうが楽しいのかなと(笑)。
成河
赤星はもうお約束。ファンも多くて、江口洋介さんの魅力に負うところも大きいですよね。
古沢
本当そうですよね。どのキャラクターも楽しく書かせてもらいましたが、三浦春馬さんのジェシーは楽しいですね。あと竹内結子さんのスタアや波子も好きなキャラクターです。僕としては、元某国大統領夫人が楽しかったですね(笑)。あとはやっぱり今回のヒロインであるコックリ(関水渚)。虐げられていた少女がダー子と出会って、偽物に仕立て上げられていく中で成長していく姿がちゃんと描けていたらいいなと思います。