PRODUCTION NOTES
企 画 編
~タイトル発表のその裏で~

映画シリーズ第3弾となる『コンフィデンスマンJP 英雄編』で描かれるのは、ダー子、ボクちゃん、リチャードによる真剣勝負の腕比べ。今作に関して、「詐欺師たちの詐欺合戦を描いたら面白いんじゃないかというところが始まりでした」と脚本の古沢良太。その中でこれまで描いていなかった警察との対峙という要素が加わって現在の形へ。テーマに関して成河広明プロデューサーは、「今までのシリーズでやってきたことを逆に見ていって出てきたのが、“英雄”だったんです」と意味深に語る。その『~英雄編』のタイトルがいち早く発表されたのは、2020年8月13日。前作『~プリンセス編』の大ヒット御礼舞台挨拶の席上だったが、実を言えば、この時点では脚本は未完成! それどころか、そのときはまだ “英雄”をテーマにした詐欺合戦のプロットがあっただけに過ぎず、「発表しておいて実は違ったっていうのも、面白いかもしれないねと言っていたんです(笑)」と田中亮監督。そもそものタイトル自体、壮大な騙しになった可能性も? そんなこともあり得るのが『コンフィデンスマンJP』。ただ、嘘と本当がぶつかり合い、偽りと真実が絡み合うその面白さは、掛け値なしの本物と断言しておく。
撮 影 編
~ロケのこだわりに注目~

ダー子のセリフにもあるとおり「世界中のセレブが集まるタックスヘイブン(=租税回避地)」で、いかにも『コンフィデンスマンJP』にふさわしい舞台となっているマルタ共和国内の島・マルタ。前2作のアジア(香港・マレーシア)とはまた違う風土と魅力のあるヨーロッパの地ということで選ばれたが、マルタ島はその景観と気候と治安の良さから映画のロケ地としてもよく使われていて、“地中海のミニハリウッド”と称されているほど! もちろん今作でも、現地・マルタ島でロケを敢行。歴史的建造物が多く集まる首都・ヴァレッタをはじめ、街を守り続けてきた要塞・サンタンジェロ砦、マルタ最大の漁港・マルサシュロック、現代的な繁華街・スリーマなど、日本映画ではなかなか見られない風景が切り取られている。一方で、実は日本国内でもマルタ島ロケ(!?)が行われているが、そこは映画のマジックで『コンフィデンスマンJP』のトリック。限りなく条件に合った場所を求めて北から南まで各地を移動するこだわりようで、まさに手の込んだダー子たちの騙しさながら!? 「迫力のある画になったと思います」と田中監督も語るように、物語にも映像にも圧倒される今作。そのスケール感にも注目だ。
キ ャ ス ト 編
~役作りは本物志向~

今作にはまた新たなキャストも大集結。そのキャスティングに関して成河プロデューサーは、「意外性がありながら、『コンフィデンスマンJP』の世界観にはまる方々」とポイントを語る。刑事・丹波を演じる松重豊は、これぞという昔気質の刑事を熱演。また瀬戸康史は右目にブルーのコンタクレンズを入れ、オッドアイのエリート捜査官・マルセル真梨邑に扮している。今作ではスペイン語と英語のやりとりも多く、ダー子役の長澤まさみも両国語、瀬戸は加えてフランス語、一方でボクちゃん役の東出昌大と麗奈役の生田絵梨花は栃木弁、謎の女として登場する真木よう子は関西弁にも挑戦! その中で心強い存在となったのが、スペイン人の元マフィア・ゴンザレス役の城田優。語学に長ける城田が皆のセリフの練習に付き合い、アドバイスをする姿も見られた。その城田は役作りのため、短期間で7キロ体重を落として見た目から変身。また生田はゴンザレスの妻である魔性の女というまさに意外性のある役柄に扮して、今回のために習得したベリーダンスも披露。個性に富んだ人物造形とそのリアリティーは、キャスト陣の修練の賜物。そして劇中では、それぞれのさらなる意外な姿も披露される!?
展 望 編
~シリーズの進化系で集大成~

育ての親とも言える三代目ツチノコを喪い、警察の捜査の手も迫る中で詐欺師に潮時を感じたダー子たちが臨む、「ザ・ラストコンゲームグランドフィナーレバトルロワイヤル」。『コンフィデンスマンJP』はこれまで連続ドラマ計10話、スペシャルドラマ1本、そして2作の映画、2編のスピンオフが作られて来ているが、述べ15作を超えて、『~英雄編』はひと区切りともなる一作。三代目ツチノコの存在を通じて3人の過去とつながりも語られていて、「連続ドラマの最終話(第10話「コンフィデンスマン編」)で語られた過去は嘘でしたが、今回は本当です」と古沢。「ただ、本当と言っても現時点では……ですが(笑)」とも付け加えるが、気になるのはその現時点以降で、「ラスト」と銘打たれたうえでのシリーズのこの先。そもそも今作では国内外の警察組織が行く手を阻むだけに、さすがのダー子たちでも逃げきれない? シリーズの進化系にして、それこそ現時点での集大成とも言える『~英雄編』。果たしてそこでどんな真実が明らかになるのか、目が離せない!
©2022「コンフィデンスマンJP」製作委員会